5/10-11 にサンフランシスコで開催された「Google I/O 2011」というイベントに参加しました。このイベントは Google のテクノロジーを使う開発者をターゲットとした Google 主催としては最も大きな年次イベントです。会場の Moscone West には世界各地から 5,000名を超えるGeekが参加。今回はどんなサプライズがあるかと皆、わくわくしながら開場を待っていました。
今回のメインテーマは「Android」と「Chrome」。特にAndroidへの力の入れ方は会場レイアウトからもわかります。昨年は 2 階だけに集約されていた展示コーナーは、3階にも設けられ、その3階は黄緑一色でした。
初日のキーノートも、Android オンリーです。Momentum+Mobile+Moreをテーマにキーノートは進みました。
- Momentum – Android がこの一年でどれだけ広まったかが、数字で並ぶ
- Mobile – Honeycombのお話
- More – 新しいサービス(ビデオ、音楽配信)、Accessory API 、Android@HOME、新しいガイドライン、リファレンスHWなど
Android@HOME は10数年前に Java が目指していたことに似ており、目新しさはあまり感じませんでした。ただ、明らかに違うのは、質と量。デバイスが高性能となり、できることも以前よりも格 段に違うことは明らかです。また、音楽配信は米国内限定のようで、こちらは、Apple、Amazon が先行しているので、どうやって巻き返すのかが大きな課題でしょう。
初日は、Android +アルファという内容でしたが、あまりにAndroidの印象が強く、正直なところ「Android」のイベント?と思われてもおかしくない内容でした。
さて、Google I/O というとサプライズがつきもの。昨年は、2 台の携帯端末でしたが、今年は、Samsung のGalaxy Tab 10.1。発表済みの製品ですが、米国での販売は6月ということで、いわゆる限定品です。iPad (iPad2ではなくて)よりも薄い、軽い、レスポンスも良いです。
2日目は Chrome Day。この日も朝から前の席を陣取ろうと朝早くから人が並んでいました。キーノート会場のスクリーンのバックグラウンドには、いつもの丸いロゴが出ています。
内容は、HTML5、Chrome Web Storeの話。Chrome Web Store は日本でも翌週に発表がされました。そして、
Angry Birds が Chrome 上でできる。。。と話が続きます。
ひと通りサービスの話が終わると、Chromebook の話題へ。Chromebook の試作品は以前に見せていただいたことがありますが、見た目はNotebookPCと全く変わりませんでした。まだ試作品だったとくこともあり、何かもっ さりとしていましたが、今回正式に製品となることがアナウンスされました。Acer と Samsung が製品を提供し、6/15 に一部の国で販売が始まります。価格は、$429(WiFi) – $499(3G)(Samsung の場合)。(参考:http://japanese.engadget.com/2011/05/12/google-chromebook/)
また、Chromebook は企業向けに月額$28で、教育機関向けに$20でのリースモデルもあります。シンクライアントでは運用の手間が軽減するという点が長所として取り上げら れていますが、結局のところ、管理サーバが必要となるため、限られた使い方しかできません。しかし、Chromebook はネットに接続できればどこででも利用できますし、そもそも、管理サーバが Google そのものなので、自前で用意する必要もありません。コストという面でも、大学で3年使うと1台あたり、$720ドル(約6万円)。Windows PCを1台買うのと同じぐらいで手に入ります。端末のメンテナンスは不要ですし、使えるサービスも十分にそろっています。
さて、Chromebook の話もそろそろまとめに入ると、スピーカから突然「どうして君たちはここにいるんだい?」という一言が。これで会場内がざわつき始めました。次なるサプラ イズがあったのです。Chromebook を参加者全員に配布すると!というサプライズです。ただ、残念ながら、その場でもらえるのではなくて後で連絡するよというものでしたが。
この他、いくつかのセッション、展示会場などをまわりましたが、今年はテーマを絞り込んだというせいもあってか、セッション会場の混雑度はかなりば らつきがあったように思えます。Android はどこも満員御礼のようでした(おみやげが拍車をかけたようですが)。一方で、今回 Social 系のものはほとんどありませんでした。また、Cloud 系も一括りにされてしまった感は否めません。
昨年、初めて来た時と比べると、今年のGoogle I/O はややおとなしかったかなという印象です(ただ、今後初めての印象を超えるのはそうはないでしょうが)。